もう病院に行かれた方はすでにご存じかとは思いますが、チック症について説明していきます。

チック症とは、突発的、反復的、不規則で、常同的な、体の一部分の速い動きや発声を繰返す状態が、一定時間継続するものと定義されます。（DSM:精神障害の診断と統計の手引き）

期間的な分類は、一過性、慢性、トゥレット症候群と一時的なものから長期的なものまであります。

概ね、1年以上続くとチック症（トゥレット症候群）とみなされます。また、チック症はその種類と持続時間により大きく３種に分類されます。

運動性チックでは、瞬き、口角を引く、顔をゆがめるなどの顔面の動きがもっとも多く、
その他に、頭を振る、肩や上肢をピクッとさせる、体幹を反らせる、歩いていて、急にジャンプするなどがありますが、瞬き、頭を振る、咳払いなども多いとされています。

音声チックでは、鼻をすする、咳払い、奇声（甲高い叫び声など）、汚言（汚い言葉を発する）などが見られます。

チック症は、不随意運動の1種であり、自分ではコントロールできません。また緊張で増強する場合や、軽症の時にはわずかに緊張することで逆に抑制されることもあります。

併発症状として、注意欠陥多動性障害（ADHD）や強迫性障害などがあります。

原因については、いまだにはっきりとわかっていません。

現在は遺伝要因で起こっているという説、脳内物質のアンバランス説、など様々いわれていますが、臨床的には、遺伝的な要素などを除けば、お子さまの許容量を超える過度な五感刺激やストレスなどで増悪、軽減するケースが多い傾向があります。

環境の変化や掛け持ちの習い事などによる心身両面からのストレス、パソコンやゲームのやりすぎによる光や音の過剰な刺激なども注意が必要です。

人は視覚優位で周囲の物事を認識・判断していますので、特に目からの刺激については、子どもには大人以上に真剣に考える方が良いでしょう。

近年は、外で安全に思いっきり体を動かせる環境を探すことが難しくなってきてはいますが、まだまだ発達段階の途中にあって、十分に体の機能が成長しきれていない子どもがテレビやゲーム、屋内で遊んでばかりしていては、目からの刺激や小さな動きばかりに偏り、体を十分に動かして発達することができていないとも言えるのではないでしょうか？

当院では、チック症の原因の一つに、
胎児期からの段階的な発達（生物学的な発達）で、十分に発達しきれなかった部分を補うための代償行動だと捉えています。

例えば、「じっと静かに椅子に座ることができない」のは、

【背骨の発達】（体軸の発達）が不十分という場合が多く見られます。

なので、その発達しきれなかった部分をしっかり発達させてあげると、何歳になってからでも、大人であっても改善するができるということが言えます。

チック症は、心身症の一種と言われていますが、病院の通常の診察や検査では異常が見られません。

また基本的には、本人の意志ではコントロールできない身体症状として、周囲の人は対応するのがよいでしょう。

つまり、本人の意志とは関係なく、緊張や環境によって症状が出てくるので、
周囲の人は、「またやってる。もう頭を振るのを止めなさい。」や「何度言ったらわかるの？」などとは言わないようにしましょう。

また、親が気にしていると、お父さんやお母さんが大好きな子供にとってはストレスになりますので、あまり神経質になり過ぎないようにも注意しましょう。

チック症状は、年齢が上がるにつれて減少する傾向にありますので、本人が本当に困っていること以外は、自然にさせておくのも一つです。

ただし、年齢とともに症状がひどく現れるようであれば、対処が必要です。

初期的なもので、遺伝的要素などがない場合では、鍼灸や整体で自律神経や身体のバランスを整え、生活習慣少しずつ変化させることより軽減されるケースが非常に多い症状です。

鍼灸や整体は、自律神経や体のゆがみを整え、神経伝達や血流を改善し、全身のバランスを取り、痛みや心身の緊張、無意識のストレスを和らげるのに適しています。

薬ばかりに頼りたくない方や、病院以外の改善法を知りたい方は、ぜひお試しください。

病院では、ほとんどのチック症が抗精神病薬などを処方されて経過観察になってしまうため、根本的な改善は見込めず諦めて放ったらかしになってしまうケースが多いのですが、軽度であれば根本改善は十分可能ですし、重度の場合でも症状の改善・軽減は可能性があるので、諦めないで整体の治療も選択の一つに入れていただければと思います。

さらに、当院の行うチック症の治療は、多くの病院のように症状を抑えることに焦点を合わせての治療は行わず、根本的な改善に向けて身体を整えていきます。
そもそもの原因である自律神経や姿勢、無意識の心身の緊張を整えます。また再発しないための心構えから、自律神経を正常に働かせるためのセルフケア指導など、多角的・総合的に行っていくので、相乗効果も高く、チック症でお悩みの方にとって理想的なアプローチが可能な治療法なのです。

そしてこれまで数多くのチック症の患者さんと向き合ってきた当院にご相談いただければ幸いです。

このサイトでは、チック症に関する一般的な原因や考え方に加えて、当院が考える原因や根本的な改善法などについて解説していきます。

ぜひ最後まで読み進めていただき、改善のためにお役立ていただければ幸いです。